[原子力産業新聞] 2001年8月2日 第2098号 <3面> |
[ドイツ] シュターデ原発、閉鎖を正式申請「経済的な理由」ドイツ最大の原子力発電会社である E・ON 社は7月31日、ニーダーザクセン州で操業しているシュターデ原子力発電所 (67万2000kW、PWR) の閉鎖とそれに伴う廃止措置を正式に州政府環境省に申請した。 E・ON 社は同発電所の閉鎖決定をすでに昨年10月に発表済み。純粋に経済的な理由で下した判断で、ドイツ政府と国内の原子力発電会社による既存原子炉の運転期間に関する合意とは何の関係もないと強調している。申請書に示された閉鎖計画によると、同社はシュターデ発電所を2003年後半に閉鎖。サイトにある放射性廃棄物の貯蔵施設については2004年初頭に着工するとともに、サイトから最後の使用済み燃料が搬出され次第、廃止措置作業を開始したいとしている。 同社では閉鎖を決めた背景について「冷却塔用に引いてくる冷却水の費用だけで年間1600万独マルク (8億8000万円) かかるほか、電力市場が自由化されて以来、電力価格が暴落した」と指摘。ニーダーザクセン州では発電所ごとに額は異なるが、冷却水代の支払いが必要になるという事情を説明した。 発電所の廃止措置作業は10〜12年ほどかかると見積もっており、その間、300近い雇用を数年にわたって確保することになるとの見方を示している。 |