[原子力産業新聞] 2001年8月2日 第2098号 <3面>

[英BE社] 次期会長、「今後も原子力は拡大」

英国内での可能性も

ブリティッシュ・エナジー (BE) 社のR.ジェフリー次期会長は先月に開催された同社の年次総会で講演し、米国で兆しが現れている「原子力ルネッサンス」に BE 社としては参加し易い立場にあることを強調するとともに、英国で将来、新規の原子炉を建設する可能性についても意欲的な見解を披露した。

同次期会長はまず、同社が現在、他社との共同出資も含め世界3か国で26基の原子炉を所有するなど、民間セクターとしては最大規模の原子力資産を有している事実に言及。今後も原子力発電の拡大を制限していく考えはない点を強調する一方、国内で200万kW の石炭火力所発電所を購入するなど英国市場の需要対応に柔軟性を持たせたり、カナダと英国の両国で再生可能エネに投資していることも明らかにした。

BE 社の今後の戦略・エネルギー政策に関連して、同氏はカリフォルニアで起こった電力危機が原子力に関する論議を政治的、一般的にも再燃させ、その価値が人々の関心を集めつつある点を指摘。米国ですでに現れてきた原子力復興には同社が参加しやすい立場にあると説明した。また、本拠地である英国でも、最近になって政府がエネルギー政策の見直しに着手したことをタイムリーに発表。BE 社としてこの動きを歓迎するとともに、この作業で必要とされる長期的な観点の重要性を最も理解しているのはほかならぬ BE 社であるとの見解を示した。

英国におけるエネルギー供給については、原子力だけでなく石炭やガス、再生可能エネルギーなどのバランスが取れた政策に基づくべきだとの独自の認識を表明。それなくしては重要問題である長期的な開発の持続可能性や供給の保障は確保できないとの考えを繰り返した。また、原子力の環境保全上の利点が見直されている点に鑑み、同社がすべての廃棄物処分に責任を持つ考えであることを言明。現在、英国の電力の25%を原子力が賄っている事実からも、「現在の炉が閉鎖した時点でリプレース用の炉が稼働できるよう、十中八九既存のサイトになると思うが、新たな原子炉の建設を続けていくことには十分な説得力があると信じている」と訴えた。

さらに、これらの実現に必要な具体策として同氏は、コスト削減や原子炉の信頼性改善、BNFL との関係再構築、合弁事業であるアマージェン社、子会社での事業目標達成などが挙げられるとしている。


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