[原子力産業新聞] 2001年8月23日 第2100号 <3面>

[米国] 米濃縮会社、決算で歳入が23%減

価格競争が影響

米国濃縮会社 (USEC) は1日、6月末締めの2001会計年度決算を公表し、国内濃縮ウラン市場での激しい価格競争により歳入が前年実績から23%落ち込む一方、第3四半期の非現金による所得税を含めた純益は7840万ドル (98億円) (一株あたり97セント) になったことを明らかにした。

歳入は2000年度に14億8940万ドルだったのが11億4390万ドル (1430億円) に減少した。このうち10億5730万ドル (1321億6000万円) は濃縮ウラン販売によるもので、これも前年実績から3億3050万ドルの減額となっている。しかし、今年の1月以降、濃縮ウランのスポット価格は約20%上昇してきており、長期の契約を販売基盤とする USEC では現時点の高値が今後の実績改善につながり、近年に締結した低価格契約の影響を相殺するものと予測している。

天然ウランの販売実績も2001年度は8660万ドル (108億円) に留まっており、前年の1億160万ドルから1500万ドル縮小した。伸び悩みの原因は主に平均販売価格が低下するとともに、販売量自体も落ち込んだためと説明しているが、USEC としては今後も継続して、価格の高い長期的なウラン販売に焦点を絞っていく方針だ。

販売コストも販売量の低下に伴って20%減少。「ロシアからのウラン購入や欧州企業による非公正な販売価格が原因となって生産量の低下やユニット毎の生産コスト上昇を引き起こし、それが販売コストに影響を及ぼした」と同社では指摘している。

2002年度の見通しとしては、第1四半期に小規模の損失が心配されるものの、最終的に3500万〜4000万ドル (43億8000万円〜50億円) ほどの収益があがると USEC では予測。業績を左右すると思われるファクターとして (1) ロシアとの2002年1月以降の高濃縮ウラン契約では市場動向に基づいた価格設定で合意 (2) 歳入を2000年レベルに戻すという目標の達成 (3) 生産コストなどの圧縮--などを列挙している。


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