[原子力産業新聞] 2001年8月30日 第2101号 <2面>

[解体] 東芝研究炉TTR-1が解体へ

文部科学省は今月23日、同8日に届けのあった東芝の教育訓練用原子炉施設 (TTR-1) 解体について原子力安全委員会に報告した。

解体は3つの段階を経て行われ、来年度前半までに原子炉の永久停止措置と使用済み燃料の搬出準備などの作業を行う。使用済み燃料は日米原子力協定に基づいて来年度中に米国エネルギー省に引き渡される予定となっている。また第2段階として、来年度の後半から使用済み燃料の搬出後に原子炉本体・炉内構造物の撤去等を実施、さらに第3段階で放射性廃棄物に関するクリアランスレベルの制定がなされ、同廃棄物を外部の処分場に搬出可能となった後、原子炉プールタンクの解体撤去等を実施するとしている。

解体によって見込まれる放射性固体廃棄物は、高ベータガンマ廃棄物が約20キログラム (制御板等)、低レベル廃棄物が約15.3トン、極低レベル廃棄物が約37.2トンなどとなっている。

TTR-1 は原子炉製造についての技術水準向上、原子炉技術者の教育訓練や原子炉物理、放射化学、遮へいなどの研究を行う目的で1962年12月から利用運転が開始され、今年3月に運転を停止した。この間の総運転時間は1万5300時間、積算出力は約31MWd に達している。


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