[原子力産業新聞] 2001年8月30日 第2101号 <3面>

[ロシア] 廃棄物輸入審査委員長、原子力の可能性を強調

ロシア原子力学会が7日付けで伝えた所によると、外国からロシアに使用済み燃料を輸入する案件について審査する委員会の委員長に任命されたZ.アルフョーロフ下院議員が地元紙のインタビューに答え、同委の構成や機能、抱負などを明らかにした。ノーベル賞学者でもあるアルフョーロフ議員は科学者としての見識を発揮することも期待されている。

−今回、委員長という重責を引き受けたのはどのような理由からか?

委員長 私はロシア原子力省には無条件で肯定的な見解を抱いている。科学技術的な可能性を蓄えた産業の一部門ととらえており、支援は当然だ。

−しかし、あなたは科学者でもある。権威当局の代表ばかりで構成されるこの委員会をどのように引っ張っていくつもりか?

委員長 委員会はまだ設置されたばかりだが、私はすでに、セレツネフ下院議長に「この委員会は政治的な機関ではなく、科学技術的な性格のものだ」と説明した。委員会では今後持ち込まれる輸入案件すべてについて、一時貯蔵や再処理技術のレベルについて見積もっていくことになる。だからこそ、下院で生態学、産業・ハイテク、教育・科学、健康防護、国際問題を担当する5つの委員会の代表を含めるべきなのだ。私はさらに、上院や大統領などの政府代表にも、委員会活動に参加できるような優秀な専門家を推薦してくれるよう要請したいと考えている。

−委員長と政府の間でどのように権限を配分しているのか? 原子力利用に関する修正法の実施でどちらが責任を負うのか?

委員長 大統領が決定したこの委員会の機能は、先に述べた科学技術的な原則に則って、燃料集合体を輸入すべきかどうかを判断することだ。

−委員長職を引き受けるにあたって、拒否権を条件として付けたとか?

委員長 大統領の政令には「委員会決定は必要かつ絶対的なもの」と明記されている。もし大規模な契約の可能性があれば、その問題に係わるすべての点を考慮した上で適否を判断することになるだろう。

−一般市民にあまり馴染みのない法律と自分の名前が不躾に結び付けられることに不安はないか?

委員長 私は電力業界の著名な専門家や科学者達と親交があるので、議会ではこの法律を支持した。私の個人の見解としては、今世紀中に太陽熱利用を基盤とした電力産業が実現するのを期待している。少なくとも今後50年以内では無理だと思うが、石油も昔は燃料と見なされていなかった。しかし、原子力の成長は文字通り、予め決まっていたこと。ロシアには利用可能な、また利用すべき膨大な資源がある。この法律の採用は正しい方向へのワンステップであり、恩恵だけがもたらされると信じている。

−議員の何人かは個人的な関心からこの法案を支持したと言われているが?

委員長 私自身、最も信頼性が高く、安全で環境にも優しいエネルギーである原子力産業の開発には個人的な関心を抱いている。新型のコンピュ一タや電子システム、半導体レーザーを必要とする産業なので、原子力産業の開発とともにエレクトロニクス産業も一緒に発展していくと思う。


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