[原子力産業新聞] 2001年9月6日 第2102号 <2面>

[サイクル機構] FBR研究、5つのテーマを採用

核燃料サイクル開発機構は8月31日、高速増殖炉サイクルの第2期実用化戦略調査研究を技術的側面から支援するための革新的技術アイデア募集の選考結果を明らかにした。海外からの26件を含む42件の応募があり、以下の5つのテーマが採用された。

(1) 直管型蒸気発生器の概念研究 (仏フラマトム社からの提案。直管型蒸気発生器の方がコスト低減に有効であることから、中型ナトリウム冷却炉へ適用した際の安全性や経済性などから適用評価を行うもの)

(2) ポロニウム除去システムの試験と解析モデル開発 (米アイダホ国立工学・環境研究所からの提案。鉛ビスマス炉において問題となる放射性のポロニウムに対して化学的性質の類似したテルルを基にしてポロニウムを除去するシステムの研究)

(3) 臨界実験体系によるマイナーアクチニド添加炉心の核特性評価 (ロシア・物理エネルギー研究所からの提案。同研究所にある臨界集合体でマイナーアクチニドやプルトニウム燃焼を模擬した体系での核特性パラメータの測定と評価研究を行うもの)

(4) 超臨界 CO2 を用いたアクチニド酸化物溶解抽出試験 (ロシア・フローピンラジウム研究所からの提案。固体から直接アクチニド元素を抽出するために超臨界 CO2 などを用いた抽出試験の実施や圧力・温度等の抽出条件や回収率等の性能評価)

(5) 気相吸着法による窒素同位体濃縮 (三菱重工からの提案。安価な気体の分離方法として広く使われている同法を工業規模の窒素15の同位体分離に適用できる見通しを得るとともに製造プロセスを検討するもの)

サイクル機構では、選ばれた5つのテーマについて委託または共同で研究を実施する計画だ。


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