[原子力産業新聞] 2001年9月13日 第2103号 <1面>

[原産] 日英産業界の協力を確認

相互理解と連携へ地ならし

日本と英国の原子力産業会議が共催する第10回日英原子力産業会談が5日、ロンドンにおいて開催され、終日、情報交換ならびに円英両国の原子力に共通の課題、展望についての積極的な議論や意見交換が行われた。

日英原子力産業会談は1972年以来、2年に1度、両国の原子力産業に関する課題やその背景に関し率直な意見交換を図るために開催されているもの。今回は日本側から15名、英国側から20名が出席。1999年の英国原子燃料会社 (BNFL) のMOX燃料データ改ざん事件以来、初めての日英産業界同士の包括的会合となった。

今回の会談は5つのセッションから構成され、各セッション、日英双方による発表後、質疑応答ならびに討論が行われた。セッションのテーマは (1) 日英のエネルギー政策と原子力産業への影響 (2) 原子燃料サイクル (3) 廃棄物管理とデコミッショニング (4) 原子力安全と緊急時対応 (5) 原子力産業維持のための人材ならびに技術の確保 ---- が取り上げられた。

第1セッションでは、エネルギーセキュリティや地球温暖化防止策ならびに市場自由化を踏まえた原子力政策が議論された。セッション2では、「反原発の動きに対抗するために、迅速な情報交換が不可欠だ」との認識で双方が一致したほか、セッション4では、オフサイトセンターの活動等が説明された。さらに、セッション5では、英国における原子力関連研究および人材確保に向けた産学協力の実態が発表され、注目を引いた。

英国では、エネルギー政策の見直しの真っ最中ということもあり、原子力の活性化が注目される中、今回の懇談を通し日英の原子力産業間での一層の協力が重要だとの点が確認された。


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