[原子力産業新聞] 2001年9月13日 第2103号 <3面> |
[米国] エンタジー社、ヴァーモント・ヤンキー発電所を落札米国のエンタジ一社は先月、競争入札の末、ヴァーモント・ヤンキー原子力発電所 (54万kW、BWR) を買収することになったと発表した。 落札価格は原子炉および関連資産に1億4500万ドル、燃料に3500万ドルの合計1億8000万ドル (225億円) で、現金による支払いとなっている。同取り引きは今後、地元自治体や連邦政府の複数の規制機関から承認を得る必要があり、完了するのは2002年春頃の予定。また、同発電所の現在の従業員450名すべてをエンタジー社が雇用するほか、廃止措置に伴う基金および全責任も同社が引き継ぐとしている。 エンタジー社はまた、この取り引きにより、現在の運転認可が切れる2012年までの間、MW 時あたり39〜45ドルの年間平均価格で同発電所の発電電力を現在の所有者であるヴァーモント・ヤンキー電力に販売することになっている。 同発電所の買収については昨年すでに、英米合弁企業のアマージェン社が買収条件で所有者側と合意に達していた。しかし、今年1月にエンタジー社がアマー ジェン社の購入価格のほぼ倍額にあたる5000万ドルを提示したことから、同発電所の売買取り引きは競争入札に掛けられることとなったもの。エンタジー社にとって同発電所は米国北東部で入手した5基目の原子炉で、全体では10基目となる。 記者会見の席で同社のW.レオナード最高経営責任者 (CEO) は、「ヴァーモント・ヤンキー発電所はすでに買収済みのピルグリム、フィッツパトリック両原子力発電所と同様、ジェネラル・エレクトリック社製であるため、姉妹プラントと呼べるほど設計に共通性と類似性がある」と指摘。資材の在庫やスペア・パーツのまとめ買いが可能になるほか、最良の安全慣行や特殊な技術力、マンパワー、基本的な管理・財政方法を共有するなど効率的な運営が可能になると強調している。 |