[原子力産業新聞] 2001年9月20日 第2104号 <3面>

[ロシア] 原子力公社再編で政令公布

発電所、関連機関を統合

ロシア原子力発電公社 (Rosenergoatom) が11日付けで伝えたところによると、ロシアのM.カシャーノフ首相は10日、同公社を単一の原子力企業体に再編する政令に署名した。

この計画が初めて提案されたのは97年のことで、今回の動きは昨年浮上したロシア原子力産業改革計画の改訂プログラムの一部と位置づけられている。ロシア原子力省 (MINATOM) では、同政令の内容を実行に移すには関連法に係わる作業がいくつか必要になるため、さらに2年ほど必要と予測している。しかし、同公社のY.ヤコブレフ総裁は「再編が実現すれば、個々の原子力発電所の財政管理を1つにまとめられるので、電力価格の安定が図られる」と指摘。現在ロシアの原子力発電コストは1000kW 時あたり352ルーブルとなっており、366ルーブルかかる水力などほかの電源と比較しても非常に安価な点を強調している。

新会社はバラコボ、ペロヤルスク、ビリビノ、カリーニン、コラ、クルスク、ノボボロネジ、スモレンスクの各発電所を吸収するほか、これまで原子力省が直接管理していたレニングラード発電所、1号機が運開したばかりのヴォルガドンスク (ロストフから改名) 発電所など建設中の各発電所サイトについても傘下に加える。また、原子力機器・部品の企業である Atomenergoremont や原子力発電所の管理・研究、技術、安全支援を専門とするコンサルティング会社である Atomtekhenergo、原子力発電所の運転に関する研究開発機関の VNIIAES などの関連企業体も統合されることになっている。

なお、これに付随する原子燃料サイクル関連の企業を統合する政令についてはV.プーチン大統領がすでに署名済み。同政令は特に、国営の TVEL や Techsnabexport といった原子燃料製造・供給会社の統合を目的としている。大統領報道官によれば、国内の原子燃料サイクル企業に対する規制を効率化するとともに、TVEL が生産するロシアの原子燃料が世界市場でも競争力を得られるよう、TVEL の株式を追加発行して増加を図るとしている。


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