[原子力産業新聞] 2001年9月20日 第2104号 <4面>

[三菱重工] ベルギー向けSG2基を受注

ドエル発電所に納入

三菱重工業は19日、ベルギーのドエル原子力発電所向け蒸気発生器 (SG) 2基の受注が内定したと発表した。2004年4月納入の予定で、製作は同社神戸造船所が担当する。

ドエル原子力発電所2号機は、首都ブリュッセルの北西約50km に位置しており、1975年に運転を開始した出力39万kW の加圧水型軽水炉。今回受注したのは、ドエル発電所2号機の取り替え用 SG で、同競争入札には世界的に有力な原子力発電機器メーカーが参加。競争入札を通して製造メーカーの評価、選定を行ってきたベルギーのエンジニアリング会社・トラクタベルエネジーエンジニアリング社と、発注者である電力会社のエレクトラベル社が、このほど三菱重工への発注を内示してきた。エレクトラベルなど有力企業で構成するトラクタベルグループは、原子力発電分野で豊富な実績と高度な技術力を有しており、ベルギー国内の原子力プロジェクトを一手に引き受けている。

三菱重工はこれまで、ベルギーのティハンジュ発電所1号機 (出力96万kW、PWR) 用として3基を1995に、同発電所2号基 (同96万kW、PWR) 用として3基を2001年に、取り替え用 SG を納入しており、同社では今回の受注にあたりその品質、製作工程、運転実績が高く評価されたとみている。

三菱重工では積極的に原子力発電設備の海外展開を図っているが、今後 SG に関しては、エネルギー政策の見直しで投資意欲が活発化しつつある米国の既設原子力発電所向けに、取り替え用として売り込みを強化していく考えだ。


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