[原子力産業新聞] 2001年10月11日 第2107号 <1面>

[原子力防護] 米英の攻撃開始うけ原子力施設で警備強化

政府、電力が一層の安全対策

先月11日に発生した米国での同時多発テロ事件で米英軍が8日未明にテロ組織壊滅にむけアフガニスタン領内に攻撃を開始したことをうけ、関係省庁では相次いで対策本部を設置し、国内での対応策を強化、日米共同利用施設や原子力発電所などの重要施設警備も一段と強化された。

今月に入って周辺海域について海上保安庁が24時間体制で警備を開始しているほか、警祭庁では原子力発電所を含め、研究炉や核燃料施設など32の施設について、警備強化を図っている。加えて核燃料輸送についても事業者や警備会社に特段の警備強化を要請している。発電所などの施設内でも、各事業者が巡回パトロールの回数を増やすなどして警戒を強めている。消防庁も8日に対策本部を設置、原子力発電所を含む重要施設の警備強化をはかるため、関係機関との密接な情報連絡など、都道府県に対して警備体制の強化を通知した。


経済産業省は8日、米英がアフガニスタン空爆に踏み切ったことから、全国の原子力発電施設などの警備を徹底するよう、電力業界に指示をした。

9月の米国における同時多発テロ発生以来、原子力発電施設などの警備強化を実施してきた同省だか、今回の指示により、空爆に対する報復テロヘの懸念から、一層の警備強化を図ることをねらう。

テロ事件発生の直後から、原子力発電所を中心に、全ての発電施設の警備を強化してきた電力業界もこれを受け、電気事業連合会は同日、改めて電力9社および日本原子力発電、日本原燃、電源開発の12社に、原子力施設の安全対策の再徹底を文書で指示。各電力会社などでは、入構管理を今まで以上に強化することに加え、発送電設備などの監視の強化、構内パトロールの強化、警備要員の増員、通報連絡体制および緊急時対応体制の整備、原子力発電所見学の一時中止といった対策を実施している。


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