[原子力産業新聞] 2001年10月11日 第2107号 <3面> |
[欧州委員会] 仏のスペイン市場進出を承認欧州委員会 (EC) は9月26日、フランス電力公社 (EDF) がスペインの電力市場に進出する足掛かりとなる買収取り引きを条件付きで承認すると発表した。 この取り引きで EDF はスペイン第4位の電力会社、Hidrocantabrico 社 (トリリョ原子力発電所にも出資) の管理権を一部得ることになる。今後同社の管理権の大部分はスペインの Ferroatlantico 社が取得する予定だが、EDF は34%出資しているドイツ第3位のEnBW社を通じて、スペインの GrupoVillar Mir 社とともに Ferroatlantico 社を共同管理していくとしている。 EDF は今年始め、仏国内の発電設備600万kW 分へのアクセス権を競売にかけるという条件で、独国内でフィリップスブルク、オブリッヒハイムの両原子力発電所に出資するEnBW社の所有権34%を取得した。今回、EDF によるスペインの電力会社の買収については、ENDESA と Iberdrola 社が大部分を占めているスペイン電力卸売市場にどのような影響が及ぼされるかを EC が事前に調査。「Hidrocantabrico 社の発電設備獲得を許せば、同公社は現在でさえすでに不足気味となっている仏西間の接続容量増強を渋る可能性があり、スペインからの電力輸入の妨げになるとともに同国市場が欧州大陸全体の電力市場から取り残されることにも繋がりかねない」との結論を出していた。 こうした競争市場上の懸念を払拭するため、EDF としては両国間の接続ケーブルの容量を現在の110万kW から400万kW に拡大することを約束。EC の承認を得ることに成功したと説明している。 |