[美浜町] 地元商工会などが美浜発電所増設を請願

美浜町商工会をはじめとする８つの団体が１１日、同町にある関西電力の美浜発電所の増設を要望する請願書・陳情書をそれぞれ美浜町議会の大村茂議長に提出した。美浜町商工会からは請願書、美浜町観光協会や美浜町旅館組合、美浜町水産振興会、福井県原子力平和利用協議会美浜支部など７団体からは陳情書を提出して増設を陳情。美浜町議会では１９日の臨時議会などで取り扱いを審議することにしている。

各団体からは、地元美浜町の商業や農漁業など地域産業の活性化を求める請願・陳情の内容となっている。そのうち商工会の提出した請願書には、今後の経済発展と国民生活の向上にむけ、環境との調和をはかったエネルギー確保にあたり、環境への負荷の少ない原子力発電を今まで以上に推進する必要があるとの認識が示され、これまで美浜町と原子力発電所が３０年間共存共栄をはかってきたなかで、福祉向上や雇用等に役立っている事実を踏まえれば今後さらなる地域の活性化に原子力発電所の増設が必要との考えが示されている。

美浜発電所は、約５２万平方メートルの敷地に１号機から３号機まで計３基、１６６万６０００kW の PWR 型軽水炉が運転中だ。１９７０年に１号機が原子力を利用した発電として電力会社では最初のユニットとして運転を開始、以来２号機が７２年７月、３号機が７６年１２月にそれぞれ運転を開始している。現在のところ増設等の計画はたてられていない。

今回の請願・陳情について、関西電力は、「美浜発電所の増設について、現時点で具体的な計画はないが、当社はエネルギー・セキュリティ確保や地球温暖化問題等の観点から、原子力を電源開発の基軸と位置付けて取り組んでおり、大変ありがたいお話だと受け止めている」とし、「今後、議会での審議や美浜町当局による検討がなされることになろうかと思うが、当社としては原子力発電所の安全安定運転に努め、引き続き原子力に対する理解を深めるよう努力して参りたい」としている。