[原子力産業新聞] 2001年10月26日 第2109号 <3面> |
[米・NRC] 原子炉廃止措置の遮蔽方式で意見聴取採用に向け準備へ米国原子力規制委員会 (NRC) は11日、原子炉廃止措置の1オプションである遮蔽隔離方式 (entombment) は認可するための規制変更について一般市民からの見解を予備的に聴取することになったと発表した。 遮蔽隔離方式ではすべての原子燃料を原子炉から抜き取った後、その他の放射化物質は環境から60年以上隔離できるよう特別に工学設計された構造物の内側に封じ込める。そして、残存するすべての汚染物質の放射性がサイトを無制限に再利用できる程度に減衰するまで、この構造物は NRC の規制下で適切に管理されることになる。 現在の規制システムでは、ケースごとの例外を除いてすべての廃止措置活動は原子炉の操業が永久に停止してから60年以内に完了しなくてはならないことになっている。しかし、遮蔽隔離方式では汚染物質の取り扱い量が少なく、放射化物質をサイト外に出す方式よりも作業員の被曝線量を削減できるほか、汚染物質をサイトから処分場に運ぶ必要性も少なくなる。 NRC はこの方式に伴う技術的な問題を審査した結果、遮蔽隔離が原子力発電所を廃止する方法の有効なオプションに成り得ると判断。規則案の準備を始める前に、近々発行予定の官報に複数の規制方法を掲載して一般からのコメントを集めることになったとしている。 NRC が検討した規制方法は3種類で、(1) 規則は特に策定せず、ケースバイケースで既存の規制を免除する形で遮蔽隔離方式を許可 (2) 60年という廃止措置活動の期間限定枠を改定したり、原子炉の遮蔽に工学バリアの使用を明記するなど、既存の規制に柔軟性を持たせる (3) 遮蔽隔離する施設に対して基準や許可要求項目を設定する − など。 この件に関して意見の提出を希望する一般市民は、官報に掲載された後75日以内に関係機関にコメントを送るよう求められている。 |