[原子力産業新聞] 2001年10月26日 第2109号 <3面>

[ロシア] 2基目の高速炉、建屋建設に来年着手

ロシア原子力発電公社 (Rosenergoatom) が19日付けで伝えたところによると、ロシアは来年にも国内で2基目の高速炉 (80万kW 級) となるベロヤルスク原子力発電所4号機 (BN-800) の原子炉建屋建設に着手する。

ベロヤルスク原子力発電所はスヴェルドロフスクの東に位置し、RBMK だった1、2号機 (各10万kW 級) はすでに閉鎖。現在、60万kW の高速炉である (BN-600) 3号機のみが稼働しており、世界の商業用高速炉の中でも2基目に数えられる同4号機の建設計画については今年初頭、当時の原子力相のY.アダモフ氏とスヴェルドロフスク地方のE.ロッセル知事が「積極的に進めていく」と確約していた。

その後、現地では小規模なインフラ整備を再開。来年は原子炉建屋の建設に取りかかれる見通しだ。初期の建設作業およびポンプ施設や浄水システムなどだけで5000万ドルの費用がかかるほか、その他の建設および機器の組み立て作業は6億〜7億ドルかかると見積もられており、原子炉建設計画全体のコストは13億ドル (1586億円) に達する予定だ。

なお、ロシアではピーク時に700億〜790億kW 時の需要がある秋冬期を迎え、原子力産業界としても原子力発電所の準備を万全に整えつつある。燃料費の割高な石油火力発電所の利用を抑えるために、2005年までには欧州部のサイトで新たに3基の完成を目指すなど、原子力による十分な電力供給を果たしたいとしている。


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