[原子力産業新聞] 2001年11月1日 第2110号 <1面>

[原子力委員会] 市民参加懇談会、刈羽村で対話実施へ

広聴機能を重視

原子力委員会市民参加懇談会の第2回企画メンバー会合が10月29日開かれ、原子力政策における国民との対話・懇談の意義や原子力立地地域などにおける対話の場の持ち方をめぐって意見を交わした。

政策の検討プロセスにおける市民参加とともに、政策や行政機関などの活動に対する外部評価としての市民参加が議題にあがり、国民への「説明」とともに国民からの意見・提言をフィードバックするねらいの「広聴」を軸とした双方向コミュニケーション確立の必要性があらためて提起された。これをめぐって、「同懇談会の位昼づけは『国民』『行政』と併存する第三者的なものであるべき」「国民の意見を十分に政策にフィードバックするためには頻度やきめ細かさが重要になる」「現実に原子力委員を含む懇談会が中立的な立場を強調することには無理がある。様々な意見を持つ人々がいることを踏まえたうえでコンセンサスを持った集団であることを伝える方がよい」といった意見が出された。

さらに、こうした議論を踏まえ、同懇談会が活動の柱として重視する地域住民との対話・懇談のあり方についても検討が行われた。事務局からは、現在プルサーマル計画が停滞している背景にある問題が原子力政策と国民・社会との関係の根幹に関わるものとして、プルサーマルに限らず原子力について地域の意見の把握につとめ、政策の検討に反映すべきとの基本認識が紹介された。

その上で、原子力発電所立地地域などを対象として地域ごとの意見を幅広く把握できるよう柔軟に実施し、市民参加懇談会から2〜3名の企画メンバーが参加することを提案。あわせて、今年度中に2回程度対話の場を設け、最初の試みとして刈羽村で実施するとの考えが示され、基本的に了承された。

これに対して、委員からは、過半数の企画メンバーが参加するのでなければ適当ではないとする意見や、刈羽村と同懇談会を共催で行う案のほか、行政責任として刈羽村自体が主催することが望ましいなどとする意見が出された。


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