[原子力産業新聞] 2001年11月8日 第2111号 <2面>

[日立PA委員会] 「原子力の日」に講演会

理解促進にむけて

日立製作所は10月26日、原子力理解促進活動の一環として「原子力の日」記念講演会を東京・千代田区の本社で開いた。日立製作所グループや東京原子力産業会会員社などから約90名が参加した。

記念講演会は、同社の進める広報活動に役立てるねらいで、毎年社外から講師を招いて実施しているもの。今回は、日本原子力産業会議の宅間正夫専務理事が講演を行った。

冒頭、主催者を代表して日立原子力PA委員会委員長をつとめる斉藤荘蔵理事・原子力事業部長が挨拶。「原子力広報に王道はない」としてPA委員会を中心に理解活動に全社を挙げて取り組んでいる状況を紹介した。

続いて、宅間氏が「これからの技術と社会のありかたを考える -原子力を例にして-」を講演した。同氏はその中で、20世紀末に社会は、生産者の論理から消費者の論理の社会に変わり、男性・父性原理から女性・母性原理の世界に移行している点を指摘したうえで、技術と社会の関係を修復するためには、技術そのものと技術を扱う人間の信頼を回復する必要性や、技術者側が一般社会に向けて積極的にアプローチしなければならないと述べるとともに、社会の動きに敏感な豊かな感性を持った技術者として、原子力の安全性や必要性を「感性に翻訳した形」で訴えていくことが求められるなどとした。


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