[原子力産業新聞] 2001年11月22日 第2113号 <1面>

[原子力安全員会] 専門部会、WG設置し原因調査−浜岡1号機配管破断

原子力安全委員会の原子力事故・故障調査専門部会に設けられたワーキンググループ (主査・有富正憲東工大教授) の初会合が20日開かれ、中部電力の浜岡原子力発電所1号機 (BWR、出力54万kW) で今月7日に発生した余熱除去系配管の破断事故の原因調査等の検討を始めた。原子力安全・保安院からの報告、また16日に原子力安全委員会が現地で実施した調査の状況報告を聞き、配管の破断の原因にいたった原因とその過程などについて議論が行われた。

同1号機は定格出力運転中の今月7日午後5時2分に、非常用炉心冷却系の一部である高圧注入系 (HPCI) の手動起動試験を実施したところ、HPCI が停止するとともに、原子炉建屋の数か所で火災報知器が作動したため、現場を確認し、火災の発生がないことを確認したうえで、原子炉建屋内における蒸気漏えいの可能性があることから原子炉の手動停止を実施。その後の中部電力の現場確認の結果、高圧注入系から余熱除去系熱交換器に分岐している蒸気配管の曲がり部の破断が発見された。

この日の会合では、原子力安全委員会が行った現場調査の状況がビデオ等を含めて報告され、各委員からは、今後、破損部分の詳細な分析を行う際の重要点などが指摘された。出席した原子力安全・保安院では、各委員からの指摘も踏まえ、現在実施中の詳細調査を進めるとした。この日の議論では何らかの原因で圧力変動が生じ、破断した配管部分にも熱披露等が生じていた可能性も考えられなどの見方が示されたが、破損部分の詳細な分析結果とあわせての検討が必要であり、調査の進抄をみながら検討が進められることになる。


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