[原子力産業新聞] 2001年11月22日 第2113号 <2面> |
[RANDEC] 「報告と講演の会−デコミッショニング時代を拓く」開催RI等廃棄物、デコミを柱に財団法人原子力研究バックエンド推進センターは20日、都内で「報告と講演の会−デコミッショニングの時代を拓く」を開催し、同センターの事業活動の報告を行った。 同センターは昨年12月に改組し、従来の原子力施設のデコミ関連事業に加え、RI・研究所等廃棄物の処分事業も実施する体制を敷いた。今回は改組してから初めての報告会となった。 このなかで総括事業報告が川上泰専務理事、足立守廃棄物事業本部長から、それぞれ行われ、同センターの改組後の事業活動が紹介された。そのなかで、同センターが進めることとなった RI・研究所等の廃棄物処理処分事業およびその処分地の立地に関する調査については、処分地の円滑な立地にむけた情報の収集と同時に、課題への対応も含めて検討を進めていることが報告された。 また、解体金属廃棄物の再利用技術開発のひとつで、ウランで汚染された金属を連続して溶融でき、二次廃棄物の発生も少ないなどの特長がある溶融法として開発中のクルーシブ法の溶融試験で、今年度から核燃料サイクル開発機構と協力して同機構の人形峠事業所でホット試験を行う計画だという。同センターでは、今後、ハードウエア中心からソフトウエア系の技術開発へのシフト、また将来の試験研究炉の廃止措置も視野にいれた廃止措置プログラムの検討などを進めるとの方針が示された。 また「解体廃棄物リサイクル技術開発」について報告した研究開発部の原邦男次長は、原子力発電所の廃止措置で生じる解体廃棄物の97%以上が放射性廃棄物として扱う必要のないコンクリート等の廃材で、3%以下の放射性廃棄物の大半が金属等であるとのデータを示した上で、資源の有効活用の面から有用な金属等のリサイクル (再利用) を検討し具体化することが重要とした。同センターでは文部科学省の受託事業として、今年度から5年間で、関連データベースの作成や評価コードを開発するとともに、再利用シナリオの具体化など解体金属廃棄物の再利用技術開発を進める予定だ。報告によると、再利用技術の面では再利用価値の高いステンレス鋼スクラップを対象としたシステムの構築をめざす考えだ。海外ではフランスやスウェーデン、ドイツなどがステンレス鋼等の再利用を進めている例があり、国内でも日本原子力研究所が炭素鋼やステンレス鋼の再利用研究を行うため高周波誘導による溶融炉を建設中で、今年度中に完成する予定という。 |