[原子力産業新聞] 2001年11月29日 第2114号 <3面>

[フランス] 野党、現政権の原子力政策を問い質す

フランスの保守系野党である共和国連合 (RPR) は9日、社会民主党と緑の党から成る連立政権に原子力発電に対する立場を明確にするよう要請した。

RPR の声明によると、総選挙を来年に控えた最近の国民議会で、現政権のS.シュワルツェンベルグ研究相とC.ピエレ産業相が原子力擁護の発言をする一方、D.ヴォワネ環境相は再処理の停止と30年以内に原子力から段階的に撤退することを呼びかけている。

RPR はこのままでは来年の共同政策を準備する上で連立政権内の原子力に対する議論が不揃いなものになると指摘。両党が原子力を巡って政権内部でこのような交渉取り引きを行うことは受入れ難く、議論の透明性と公開性を損なうものだと訴えた。RPR はまた、原子力問題は地球温暖化へのフランスの対処法や国際社会における情勢とも関係することから仏国の将来とエネ自給に影響すると強調。こうした点からも首相には政府としての立場を明確にする義務があると言明した。


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