[原子力産業新聞] 2001年12月13日 第2116号 <1面>

[産業構造審議会] 小委員会、CO2の削減目標達成にむけ施策提案

3年毎レビュー実施

産業構造審議会の環境部会に設けられた地球環境小委員会は7日、京都議定書の目標達成に向けた取組みのあり方について中間とりまとめ案を固めた。2008年までの間、3年ごとにレビューしながら、環境目標を達成するための方策を具体化していく考え方を示した。パブリックコメントを得て17日の開催予定の同小委員会で最終案のとりまとめを行う方針。

京都議定書の目標を達成するためには、2010年度におけるエネルギー起源の CO2 排出量を1990年度レベルに抑制することが必要だが、現実には、需要面で、民生・運輸部門を中心としたエネルギー需要が大幅に伸び、エネルギー起源の CO2 の99年度の CO2 排出量は90年度比約9%増と大幅に増加している。このため、さらなる省エネルギー対策、新エネルギー対策、燃料転換等の対策、原子力政策の着実な推進を中心に技術開発を含めた2000万トン・Cの新たな追加措置を実施することが必要となっている。経済産業省では総合資源エネルギー調査会の答申を踏まえ、これらの政策対応と、エネルギー特会のグリーン化等所要の環境整備を行う方針だ。

とりまとめ案では、こうした目標達成にむけた国内対応について (1) 過度な負担の回避 (2) 負担の公平性 (3) 経済合理性と柔軟性の確保 (4) 段階的アプローチ (5) 既往施策の充実・強化 (6) 市場メカニズムの活用 −という6つの基本原則を掲げた。そのうえでまず当面の対応として、2002年から2004年までの間に、これまでの産業界による自主的取組の成果を尊重し、当面は省エネや原子力発電の推進など既往施策の充実・強化を図り、円滑かつ確実性の高い削減取組を軌道に乗せることを目標とした。次の2005年から2007年までの間には第1回レビュープロセスの結果を踏まえた対策を実施し、第2回レビュープロセスで2008年から2012年までの第一約束期間を迎えるに当たり、京都議定書の目標達成のために必要とされる施策の見直しを再度実施するとしている。さらに議定書の第一約束期間の間に目標達成が困難な場合には税制を含む、より効果の期待される措置を導入する考えも示している。


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