[原子力産業新聞] 2001年12月13日 第2116号 <2面>

[原子力安全・保安院] 原子力設備基準体系を見直し

性能規定化など近く検討へ

経済産業省原子力安全・保安院はこのほど、原子力発電設備に関する新たな国の技術基準整備に向けた具体的取組みを始めることにした。

現在、原子力発電設備の技術基準は、電気事業法に基づく技術基準が省令として設備の構造や材料などについて詳細な要求事項を規定しているが、策定・改訂には高度な専門性が必要とされることなどから、基準の改廃や新基準の取り込みが積極的には行われていないのが現状だ。一方、民間では、日本電気協会の JAEG 等の規格のほか、日本機械学会や日本原子力学会などで技術基準の検討・策定が積極的に進められている。こうしたことを背景に、保安院では、今年7月の原子力安全・保安部会報告書での提言を踏まえ技術基準化戦略に乗り出すことにした。

今後の具体的検討では (1) 国際整合性のある技術基準や民間規格体系 (2) 性能規定化と民間規格のあり方 (3) 国の技術基準として整備すべき分野 (4) 技術基準の策定・改定と関連する国の体制 −を取り上げる。中でも、技術基準において必要な性能だけを規定し、これを実現するための具体的手法等については多様性を認めるといった考え方の「性能規定化」を取り上げて審議し、技術基準に記載すベき内容と原子力発電設備に関する性能規定化に向けた条件を明確化することがひとつの特徴。

保安院では、こうした問題の検討にあたって、専門知識を有する学識経験者を中心に基準化戦略ワーキンググループを発足させる考え。民間規格の策定に携わっている学協会の関係者からも協力を得て検討を進める。来月に第1回のワーキンググループ会合を開き、来年半ばにも検討結果がまとめられる見通しだ。


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