[原子力産業新聞] 2001年12月13日 第2116号 <4面>

「ニュークリア・エナジー・インサイト」は米原子力エネルギー協会 (NEI) が原子力情報を収集、分析、評価し、それにもとづいて、全米的なコミュニケーションの輪をひろげるために発行しているものです。

[NEI-insight] テロ事件、犠牲者家族を支援

電力・エネ企業が基金創設

米国のエネルギー企業2社はこのほど、9月11日の同時多発テロの犠牲者となった人の子供たちに教育支援を行うため業界をあげてのキャンペーンに着手した。

エンタジー社とエクセロン社がそれぞれ50万ドルを寄付してパワー・オブ・アメリカファンドがスタートした。この2社は、ほかの電力会社や電力会社の従業員、全国の消費者にも参加をよびかけている。エンタジー社とエクセロン社は1千万ドルの目標額をかかげている。

この計画を支持することを確約している企業の中には、フランス電力公社やノースウェスタン社、ニュークリア・マネージメント社、ニューメキシコのパブリックサービス社、センプラ・エナジー社、そしてダラスの本社を置く TXU 社などが含まれている。9月末現在で、基金の総額は170万ドルに達している。

パワー・オブ・アメリカ・ファンドは、多くの米国企業に代わって同じような教育寄金の調整を行っているニュージャージー州プリンストンの教育試験サービスが運営することになっている。この基金によって、子供たちが認可された米国の高等教育機関に登録された時点で奨学金が与えられることになっている。

この基金の詳細については、http://www.powerofamerica.org から入手できる。

原子力発電の優遇措置を提案

ニューヨーク州モンロー郡議会の議員の大半が、ニューヨーク州は将来の電力需要に対処するため、原子力発電への依存度を高めるべきであると考えている。

今夏、同郡議会の議員29名のうち17名の賛成により、ジョージ・パタキ・ニューヨーク州知事、NRC およびニューヨーク州公益事業委員会に新規原子力発電所の候補サイトを特定するとともに、民間企業による同州への原子力発電所建設を促進するよう求めた法的拘束力を持たない決議文が採択された。

ニューヨーク州の第三者システム・オペレータ (電力市場の運営者) によれば、ニューヨーク州は電力不足を回避するためには、2005年までに現在の25%増の発電設備容量が必要になる。「州内で原子力発電所やクリーン・コール石炭火力発電所および水力発電所を建設・運転しようとする全ての企業に対して、財政的な優遇措置が与えられるべきである」と決議文は述べている。

「ディーゼル発電機や他の化石燃料発電による大気汚染を考えれば、ニューヨーク州の原子力発電設備の拡大こそ最も現実的なオプションである」

同州では6基の原子力発電所が運転中で、電力需要の23%を供給している。


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