[原子力産業新聞] 2001年12月13日 第2116号 <6面>

[日立・東芝] GE社との対等技術協力契約延長へ

BWRの競争力最大限追求へ

日立製作所と東芝はそれぞれ6日、米国ゼネラル・エレクトリック・カンパニー (GE) と結んでいる沸騰水型原子炉 (BWR) の技術開発に関する2社間の技術協力契約の更改を行い、提携関係を10年間延長することで合意したと発表した。

今回の技術協力契約は、日立、東芝がこれまで培ってきた BWR における実績等を踏まえ、今後は GE と対等なパートナーとなって、互いの強みを最大限に生かすことを目的としたもの。今回の更改により、既存の BWR の安全、かつ効率的な運転を継続するために、引き続き最先端の技術を用いることが可能となる。

日立と東芝は、GE とそれぞれ1967年に BWR の技術協力契約を締結して以来、30年以上にわたり、日本および海外で、BWR の建設、運転プラントの予防保全・サービス分野における協力関係を構築してきており、これら3社は、東京電力をはじめとする国内の電力会社の協力を得て、世界で初めて改良型沸騰水型原子炉 (ABWR) を開発し、1996年に東京電力柏崎刈羽6号機、97年に同7号機として納入した実績を有している。

現在、ABWR は日本国内で2基 (日立単独受注1基、日立・東芝共同受注1基) を建設中。また GE は海外で建設中の2基向けの原子炉設備などのシステム、機器の設計、供給を行っており、日立と東芝は、GE との契約に基づき、主な機器を製造しているほか、原子燃料分野においては、GE、日立、東芝の3社で2000年1月に「グローバル・ニュークリア・フュエル社」を設立、国内外の電力会社などに、原子燃料を納入している。

また BWR は現在、全世界で92基あり、そこで発電される電力は世界の総発電量の4%を占めている。このうち日本国内には28基の BWR があり、日立、東芝はその多くのプラントに携わっている。

今回の契約に基づき、日立は今後、世界市場における BWR 型原子力発電設備のシェア拡大のため、設計、製造、建設、保守・サービスなどにおいて互いの強みを発揮するとともに、協力関係の強化を図りたい考え。また東芝でも、同分野におけるそれぞれの力を結集することにより、ABWRの競争力と BWR 陣営の技術力を最大まで高めることで、新規受注の拡大を目指すとしている。


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