[原子力産業新聞] 2002年1月7日 第2118号 <面>

[来年度原子力予算案] 文科省3217億円、経済省1677億円

来年度の政府予算原案が12月24日に閣議で決定され、各省からの原子力関係予算は、同25日の原子力委員会に報告された速報値によると全体で4662億2200万円となった。緊縮型の予算編成となった今回は前年度比で3.6%減となっている。

このうち、文部科学省は約3217億4600万円で前年度比7.5%減、経済産業省が約1676億6900万円で前年度比4.5%の増加、そのほか外務省や総務省等の他省があわせて約91億7100万円と前年度比2.2%増加となっている。

文部科学省では、所管する日本原子力研究所関係が約906億9677万円、核燃料サイクル開発機構が約1192億1500万円 (電源特会含む)、放射線医学総合研究所は約141億8415万円、理化学研究所は約73億651万円などとなっている。

電源特会枠で新設された原子力・エネルギー教育支援事業には約4億8000万円が認められたほか、革新炉の開発研究にむけた研究公募事業に約35億円が新規に計上されることになった。また、核燃料サイクルシステム技術開発の公募型事業にも18億6000万円が新たに計上された。

経済産業省では、安全確保はもとより、立地対策や広報対策の強化をはかる方針を盛り込んで、全体として4.5%の増額になった。うち原子力安全確保・防災対策には約283億円、原子力立地の推進に関しては約1159億円を計上し、国民合意の形成等に引き続き力を入れる。広報対策では、昨年8月にプルサーマル計画推進にむけた政府連絡協議会の方針に沿って抜本的な強化をはかる方針で、教員向けの教材等の作成・配布にともなう予算を新規に1億円計上したほか、官民一体となった原子力発電所見学者の100万人 (昨年度は37万人) 達成にむけた費用として6億円を計上した。

また原子力安全・保安院は総額約450億円の予算のうち、原子力に約280億円をあて、規制高度化や原子力防災対策の強化等を進めていく方針だ。

その他では、総務省が約1億958万円を原子力関係施策にあてるなかで消防活動支援情報システムの整備をはかる経費として約1億54万円を新規計上している。


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