[原子力産業新聞] 2002年1月7日 第2118号 <3面> |
[米国] 上院議員、基盤強化で法案提出新型炉設計も促進米議会上院のJ.ビンガマン、T.ダシュールの両民主党議員が原子力の基盤強化や新型炉設計を促す法案を議会に提出していたことが先月初旬に明らかになった。 ビンガマン上院議員によると、新法案に明記された条項は全体として米国におけるエネルギー供給保障を長期的に確保するための枠組みを形成するもので、燃料および発電技術の多様化やエネルギー利用の効率・生産性の向上、地球温暖化と環境の防護にポイントが置かれている。 上院のエネルギー委員会で同議員は、「原子炉は温室効果ガスを出さない電源であるので将来の発電オプションとして期待できる」と発言したが、その一方、他の電源と比較して高い資本費が市場で不利になっていることや廃棄物処理問題が解決していない点、安全性に対する一般大衆の不安も変わっていないなどの点を指摘していた。新法案はこれらの問題の解決に繋がるよう、新型原子炉の設計に関する研究開発に焦点を当てていると同議員は説明。原子力産業界における若い世代のエンジニアや科学者の減少傾向に歯止めがかけられるよう、大学における原子力科学技術教育の強化プログラムを取り上げたと強調している。 同議員はまた、国立研究所などエネルギー省の契約請負機関における原子力賠償責任も扱ったプライス・アンダーソン法の更新問題も新法案に含めたと言明。原子力産業界の商業活動を扱った同法案の主要部分はすでに環境・公共活動委員会で審議されつつあるほか、今年2月上旬には上院本会議で審議される予定になっている。 |