[原子力産業新聞] 2002年1月7日 第2118号 <3面>

[国際] 米エクセロン社、PBMR実証炉建設計画の詳細検討

2003年の認可申請目指す

南アフリカ共和国の主導によるペブルベッド・モジュール型炉 (PBMR) 開発に参加している米国のエクセロン社はこのほど、米国内での実証炉建設が可能になった場合に備えて具体的な検討を進めていることを明らかにした。

PBMR は現在、商業化を目指して南アの国営電力 (ESKOM) および産業開発公社 (IDC) に英原子燃料会社 (BNFL) やエクセロン社などの外国企業を交えた企業連合が開発中。昨年11月には詳細な実行可能性調査が行われ、フル・スケールの実証炉建設は大いに有望との感触が得られたとしている。

エクセロン社はこれまでのところ実際の PBMR 購入に関して見解を明らかにしていないが、開発プロジェクトの一環として PBMR の発注が可能になった場合の実価格や数量について暫定的な議論を重ねていると言う。南アでは政府が実行可能性調査の結果を吟味する段階に来ており、国外の専門家を含む調査チームが今年1月中に調査報告書のレビュー会議を開催した後、2月には結果を出す予定。政府が同意すれば年内にも承認手続きが完了すると見られている。

同社としては南アで PBMR 実証炉の最終設計が完了するのを待って、2003年には米国内での建設・立地一括認可の申請書を提出したい考えだ。

PBMR 計画に中国も協力の可能性

先月中旬に南アフリカ共和国の政府筋が明らかにしたところによると、同国と中国は今年第1・四半期中にも通商技術分野で2国間協力協定を締結する。

これは南アのT.ムベキ大統領が中国を訪問した後、確認されたと伝えられている。同大統領は両国が原子炉技術の開発も含めた原子力の平和利用分野でも近々、技術協力協定を結ぶ予定だと言明しており、出力10MW の実験用高温ガス炉 (HTGR) がある北京の清華大学を訪問した際は特に、PBMR 開発プロジェクトヘの技術協力に言及したという。


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