[原子力産業新聞] 2002年1月10日 第2119号 <3面> |
[米国] DOE、FFTFの永久閉鎖を決定20億ドルの財政負担がネック米国エネルギー省 (DOE) は12月19日、8か月に及んだ再審査の結果、高速中性子束試験施設 (FFTF) の研究炉は永久閉鎖することに決定したと発表した。 この包括的な再審査は昨年4月、DOE のS.エイブラハム長官の指示により実施されていたもので、FFTF を商業利用する可能性について得られるすべての情報を90日間に渡って徹底的に吟味するとともに、さらなる調査期間を設けて公営、民営を問わず、同施設の商業利用を希望する団体の有無を確認していた。その結果 DOE は、「FFTF の再利用は実行しがたい」との見解を提示。近く同施設の廃止措置を進めていくことになったとしている。 審査を終えてエイブラハム長官は、この作業が客観的かつ徹底した方法で実施された点を強調したほか、DOE が下した最終決断は廃止オプションのコストや利点に関する科学的で広範囲な分析に基づいており、商業利用オプションの実行可能性についても掘り下げた配慮がなされたと説明している。 FFTF を商業利用する可能性としては原子力と医学分野の最先端システムに係わる団体 (ANMS) が医療用・研究用放射性同位元素の生産施設として利用することを提案していた。しかし、こうした可能性について DOE は「新たに法的な責任と20億ドル (2400億円) を超える財政負担が DOE に覆いかぶさってくる」との審査結果を公表。具体的には、操業に携わる従業員のための出費、医療用・研究用アイソトープの買い手が特定できない点、FFTF の操業や安全性に関する米国原子力規制委員会の監視や承認に問題がある、などを指摘している。 |