[原子力産業新聞] 2002年1月17日 第2120号 <3面>

[ロシア] オランダの研究炉へ、高濃縮ウランを供給

ユーラトムと協定へ

ロシア原子力学会および原子力発電公社が昨年末に伝えたところによると、ロシアは欧州委員会 (EC) がオランダのペッテンで所有する高中性子束材料試験炉 (HFR) に高濃縮ウランを供給することになった。

この取決めはロシアと欧州原子力共同体 (ユーラトム) の間で策定された協定案に基づくもの。EC に替わって HFR を運転しているオランダのエネルギー研究機関 (NRG) は今後、93%に濃縮したウラン235を最高600kgまでロシアから得るとしている。ロシアのM.カシャーノフ首相はすでに、この協定案に関するユーラトムとの交渉を原子力省 (MINATOM) と外務省に共同であたるよう指示。最終的な合意に達すればロシア原子力省が政府に替わって同協定に署名することになっている。

欧州では年間700万人以上もの患者がペッテン炉が生産した放射性同位元素線源による治療を受けている。ロシア政府高官によれば、ロシアの高濃縮ウランを原材料とする使用済み燃料は相互協定さえ締結すればEU域内やロシアに限らずそれ以外の国でも再処理が可能。ただし、最終的にロシアでの再処理が決まった場合は再処理の条件について別途協定を結ぶ必要があると指摘している。


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