[原子力産業新聞] 2002年1月17日 第2120号 <3面> |
[中国] 秦山原発が10年間安全運転中国が初めて建設した原発である秦山原子力発電所 (30万kW、PWR) が先月中旬、安全運転10周年を迎えた。 秦山発電所は91年12月15日に初めて電力網に接続され、中国はこの日から米、英、仏、旧ソ連、カナダ、スウェーデンなどに続いて原子力発電所を自力で設計・建設できる国になったとしている。 この10年間に同発電所では合計167億8000万kW 時を発電、48億8000万元の売電収入を得るなど極めて著しい経済効果と社会効果を生み出した。これまでに燃料交換を5回実施したが環境に影響を及ぼすような基準値を超える排出事故は一度も発生していない。 浙江省嘉興の同発電所サイトは樹木に恵まれ白鷺が生息するなど人と自然が調査している。10年の間、所内点検や格納容器の強度試験、密閉試験によって同発電所の密閉機能が万全であり、固体、液体、気体の各廃棄物の排出も有効に管理。発電所周辺でも環境放射線レベルに異常が感知されたり、各種の環境媒体中に発電所からの放射性物質が発見されたこともなく、廃棄物の年間総排出量は国が定めた限度を下回った。 同発電所ではまた、建設作業や10年間の運転の過程で中国の後続の原発建設のための中堅技術者800人を送りだしたほか、秦山二期、三期工事の建設資金確保にも貢献するなど、文字通り中国における原子力人材育成の「揺籃」となっている。 (中国通信) |