[原子力産業新聞] 2002年1月24日 第2121号 <1面>

[サイクル機構] 瑞浪市と土地賃借を契約

超深地層研究にはずみ

核燃料サイクル開発機構が高レベル放射性廃棄物処分に関する深地層研究のために岐阜県瑞浪市に建設を計画している超深地層研究所の土地賃貸借契約および協定の調印式が17日に経済産業省内で行われた。

調印は、梶原拓岐阜県知事、河野博文経済産業省資源エネルギー庁長官の立会いのもとに、瑞浪市の高嶋芳男市長と核燃料サイクル開発機構の都甲泰正理事長の間で行われた。同席した古屋圭司経済産業副大臣は調印に先立ちあいさつし、「日本のエネルギーの根幹をなすのが原子力発電だ」としながら、その重要課題である高レベル放射性廃棄物の処分にむけ、超深地層科学研究所の計画が進展するについて関係者の努力に謝意を表した。

締結の後に高嶋市長は「いよいよ超深地層の研究が始まるが、1日も早く高レベル放射性廃棄物の安全な処分方法を確立して、同地から先進の技術を世界に発信してもらいたい」との期待を述べた。また都甲理事長は「地元の理解を得て安心してもらえるよう契約、協定を誠実に履行していく」とするとともに研究や同施設を公開、教育の場としても積極的な役割を果たしていく考えを示した。

瑞浪市に計画されている超深地層研究所は、高レベル廃棄物の地層処分研究開発の基盤として、地表から地下約1000メートル程度までの深地層の科学的研究 (地層科学研究) を行うもの。研究期間は約20年程度が目処。地上と地下の施設からなる。研究は3段階に分けて実施される予定で、第1段階では地表からの調査予測として、地表からボーリングや物理探査などを行い、地下の様子や地下水がどのように流れるのかを予測する研究を行う。第2段階では、坑道を掘削しながら第1段階で予測した地下の様子などがどの程度正しかったのかを確認する。第3段階では、掘削した坑道を利用して、坑道近くの様子や性質を詳しく調べる技術の開発を行うことにしている。同研究所は広く公開され、地層の科学について教育等にも活用される予定。


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