[原子力産業新聞] 2002年1月24日 第2121号 <3面> |
[フィンランド] 政府、5基目の原子炉建設計画を承認春から議会審議へフィンランド政府は17日、ティオリスーデン・ボイマ社 (TVO) が提出した同国で5基目の原子炉の建設計画申請書を原則的に承認した。政府のこの原則決定を受けて、議会は春先からこの議題について審議することが可能になり、初夏までには判断を下すと予想されている。 同国では現在、2つのサイトで4基の原子炉が稼働中で、5基目を建設する計画については TVO が2000年11月に申請書を国家審議会に提出。建設サイトについては既存のロビーサ、オルキルオトの発電所を要する両地元町議会が昨年3月に相次いで受入れ同意を表明している。 閣内の票決では賛成10票に対して反対は6票に留まった。5政党による連立政権の第一党である社会民主党では、かねてよりP.リッポネン首相自らが「経済的観点から見て、原子力オプションを国のエネルギー・ミックスからはずそうという西欧の一部の国の方針は愚かと言わざるを得ない」と指摘していたほか、商工相も原子力支持を示唆。一方、緑の党および左翼党の閣僚は申請に反対したと伝えられている。 フィンランドにおける原子力発電容量の増強については90年代初頭から検討が始まっており、93年には当時の議会が5基目の原子炉建設申請を否決した。しかし、その後の政治情勢は近年になって特に変化しており、国民世論も徐々に原子力支持に傾いている。今年に入って大手日刊紙の「Helsingin Sanomat」が掲載した世論調査結果によると、5基目の原子炉建設を支持する国民の割合は40%という結果だったのに対し、反対派は33%、28%は「まだ決めていない」との回答だった。 |