[原子力産業新聞] 2002年1月31日 第2122号 <1面>

[東北電力] 女川3号機 営業運転入り

30日、今世紀最初の運開ユニットとなる東北電力の女川原子力発電所3号機(BWR、82万5,000キロワット)が、経済産業省の最終試験を終えて同日、わが国52番目(営業運転を終了した東海発電所を含めると53番目)の商業炉として営業運転に入った。原子力発電ユニットの運開は、1997年7月25日の九州電力・玄海4号機以来4年6か月ぶりのこと。女川3号機が営業運転を開始したことにより、東北電力の原子力発電設備容量は3基・217万4,000キロワットとなったほか、同社の総発電設備の約13.5%を原子力発電が占めることになった。

最終関門である経済産業省・資源エネルギー庁による使用前検査に合格し、30日午前11時に常業運転に入った女川3号機は(1)安全性・信頼性の向上(2)運転性・保守性の向上(3)プラント効率の向上(4)放射線被爆および放射性廃棄物の低減-などを設計方針に掲げ、かつ1・2号機におけるこれまでの経験や新技術を積極的に採用。信頼性が高く、定期検査期間の短縮化を可能とするとともに、作業員被爆線量低減にも寄与する技術が導入され、また見学コースにはシースルー方式が採用されていることなどが主な特徴となっている。建設費は約3,100億円。

女川3号機建設を巡っては、1993年11月に第一次公開ヒアリングを開催、翌94年3月開催の第126回電源開発調整審議会に上程、95年8月の第二次公開ヒアリング開催を経て、96年9月に着工するなど計画は順調に進められ、2001年4月の燃料装荷開始以降、試運転が行われていた。

なお今回の運開により、現在稼働中のわが国原子力発電炉は53基、総出力4,590万7,000キロワット「ふげん」含む)へと上昇した。

幕田圭一東北電力社長のコメント

本日の営業運転開始により、1号機から3号機までの全号機が完成し、女川原子力発電所の開発は全て完了した。

こうして女川地点の開発を3号機まで無事進められたのも、ひとえに地元の皆さまを初め国、宮城県、女川・牡鹿両町など関係各方面の皆さまの暖かいご理解とご支援、さらには建設工事等に携わられた多くの方々のご尽力によるものと心から厚く感謝申し上げる次第だ。

3号機営業運転開始により女川発電所は、当社が今後とも東北地域の皆さまに電気を安定してお届けするうえで、また地域の発展、振興を支えるエネルギー源として大きな役割を果たしていくものと考える。

当社としては地元の皆さまからのご理解・ご支援にお応えするためにも改めて安全最優先を肝に銘じ、より一層地域から愛され信頼される発電所となるよう、既設の1・2号機ともども安全運転に最大限の努力を傾注してまいりたいと考えている。


Copyright (C) 2002 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.