[原子力産業新聞] 2002年2月7日 第2123号 <1面>

[経済産業省・資源エネ庁] 原子力発電は1.7%増

経済産業省・資源エネルギー庁は1月31日、2000年度のエネルギー需給実績(速報)を発表。原子力発電は同年度、対前年度比1.7%増の3,220億キロワット時を発電したものの、今回から電力の一次エネルギー換算率が減少したことにともない、対前年度比一次エネルギー総供給量は、2.8%減少したことが明らかになった。

エネルギー需給実績(速報)では今回から、火力発電効率の向上を反映して、電力の一次エネ換算値を従来の1キロワット時あたり9.4メガジュール(MJ、効率38.1%)から9.00MJ(同40.0%)へと4.5%減少させている。

具体的に内容を見ると、2000年度の最終エネ消費は、景気の部分的回復により15,703ペタジュール(PJ)と、対前年度比0.8%増を記録。部門別では産業部門が対1999年度比で1.4%増、民生部門が同2.5%増と、それぞれ増加を記録。逆に運輸部門は、同2.0%と減少を記録している。

一方供給面は、景気の一部回復にともなうエネ消費量の増加、在庫圧縮の一巡等を受けて、一次エネ総供給は23,385PJと、対前年度比1.8%増を記録している。

エネルギー源別では、化石燃料(石炭、石油、天然ガス)の総供給は19,374PJと、対前年度比2.8%と大幅に増加。その中で、石油は対前年度比1.4%増加の12,106PJを供給した。しかし電力部門を中心に石炭(4,195PJ、対前年度比5.1%増)、天然ガス(3,702PJ、同5.2%増)の供給が増加したため、一次エネに占める石油の比率(石油依存度)は前年度(52.0%)に比較して、若干減の51.8%を記録した。

一方非化石エネは、総供給が4,011PJと、対前年度比で2.6%減少している。エネ源別では原子力については、良好な設備利用率を反映して発電電力量は対前年度比1.7%増の3,220億キロワット時を記録。しかし火力発電効率向上にともなうエネ源別発電量の見直しにともない、一次エネ総供給量は2.8%減、一次エネ総供給に占める原子力の比率(シェア)は0.6%減の12.4%を記録するにとどまった。また水力・地熱も同様の理由から、一次エネ総供給量3.1%減、シェア4.4%減を記録。新エネ等は一次エネ総供給で対前年度比2.1%増を記録している。

エネ起源CO2排出量は11,597トン−CO2で、対前年度比1.1%増加した。


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