[原子力産業新聞] 2002年2月7日 第2123号 <3面>

[グルジア] 医療用放射性線源で3名被曝

フランスの原子力安全防護研究所(IPSN)が1月22日付けで伝えたところによると、昨年の12月22日にグルジアで医療用放射性線源による被曝事故が発生していたことが明らかになった。

場所は首都トビリシの西370キロメートルに位置するリア村で、村民3名が長さ10センチメートルの円筒形線源2本から深刻な被害を受けたとされている。患者達は搬送先の病院で手と背中および足に火傷しているのが判明したほか全身からも放射線の反応が認められたという。翌日トビリシにある血液・輸血研究所でさらに検査したところ、被害者達の被曝線量はそれぞれ全身で2〜3グレイ、局所的な線量は約10グレイという結果だった。

グルジアはこの件を直ちに国際原子力機関(IAEA)に連絡。IAEAから派遣された3名の専門家達は悪天候のため調査作業の中止を余儀なくされたが、これまでの調べで問題の線源はX線とべータ線を放射するストロンチウム90と見られている。

その後、IAEAの要請によりIPSNのP.グルメラン氏が2日間に渡ってトビリシの研究所を訪問。被曝線量の確認を済ませているが、今後は患者の状態や必要と思われる治療について評価し、専門病院への転院など具体的な援助形態をIAEAに勧告することになっている。


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