[原子力産業新聞] 2002年2月14日 第2124号 <3面>

[米ITC] 欧州の濃縮業者について「ダンピング」と裁定

米国の国際貿易委員会(ITC)は1月22日、全会一致で「欧州企業から輸入される低価格の低濃縮ウラン(LEU)は米国濃縮会社(USEC)に実質的な被害を与えているか、その恐れがある」との裁定を下した。

この判断は、フランス政府が管理するユーロディフと英・蘭・独の企業連合であるウレンコ社からのLEU輸入がダンピングにあたるか否かについて1年余りをかけて実施した調査の結論。ITCは2月4日にこの決定を商務省(DOC)に通達し、DOCはその後まもなく2社に対して最終的なダンピング防止関税と相殺関税(ユーロディフ社に32.10%、ウレンコ社へは2.23%)を申し渡すと見られている。

USECのW.ティンバース社長兼最高経営責任者(CEO)は、ITCとDOCによる調査が徹底的かつ公平な方法で実施されたと強調。「米国政府のこの裁定により、米国内の濃縮市場では健全な競争原理が確保され、オープンな状態が保たれるだろう」と歓迎の意を表明した。

一方、ウレンコ社は翌23日の声明で、今回の判断に対しては国際貿易裁判所への提訴を検討中だと言明。同社のK.メッサー最高経営責任者は、「当社はUSECが対応できない順客の二ーズを満たしているだけ」と反論している。


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