[原子力産業新聞] 2002年2月14日 第2124号 <3面> |
[米NEl] 無期限延長を勧告米原子力エネルギー協会(NEI)のM.フェーテル副理事長は1月24日、今年8月1日に有効期限が切れるプライス・アンダーソン法を無期限に延長するよう講会上院の環境・公共工事小委員会に勧告した。 これは昨年、S.エイブラハム米国エネルギー省(DOE)長官が議会下院に対して同法の更新を求めたのに続くもので、原子力規制委員会も賛成の意を表明している。 フェーテル副理事長はまず、同法の役割が原子力関連損害を受けた一般市民に復興のための簡便な請求手続きを提供するだけでなく、原子力発電所近郊の住民が避難命令によって負担した費用を直ちに賠償する枠組みとなっている点を指摘。「原子力事故時に一般市民に保証している賠償額は95億ドル以上にのぼる」と強調した。 同法が発効したのは1957年のこと。その後10年毎に3回に渡って更新されたのに続き、88年には15年間の延長手続きが取られていた。同副理事長は、「プライスアンダーソン法が無期限に延長されれば、議会はいつでも同法の内容を再検討・修正するオプションを得ることになる。原子力産業界としては定期的に監視公聴会を開いたり、もし必要なら同法をしかるべき丙容に修正するよう議会に望みたい」と訴えた。 同副理事長はまた、プライスアンダーソン法は原子力産業界に保険の枠組みを提供するもので、産業界への助成金とは異なると明言。同法が握供する責任保険は二段構造になっており、商業用原子炉における事故時の補償のほか、法が明確に要求する範囲を超えた補償については連邦政府が改めて審査することになっている点を強調した。 |