[原子力産業新聞] 2002年2月21日 第2125号 <2面> |
[原子力安全委員会] MOX加工施設指針まとめる原子力安全委員会は18日にウラン・プルトニウム混合酸化物燃料加工施設安全審査指針および同施設に対する「仮想的な臨界事故の評価について」をとりまとめて意見募集を開始した。 日本原燃が民間としてMOX燃料加工施設の建設計画を進めており、同事業の具体化をにらんで、安全委の原子力安全基準専門部会が安全審査指針を検討してきていたもの。 MOX燃料加工施設の立地にあたり、施設からの放射性物質の放出等について平常時・事故時のそれぞれの条件を定めるとともに、要求される閉じ込めの機能や臨界管理、耐震性能が示されている。閉じ込め機能に関しては再処理施設の指針と同等の性能を求めているほか、耐震に関してはA、B、Cというクラス分けに応じて要求される耐震性能を定めている。施設としての潜在的な危険性が原子炉施設や再処理施設と比較して小さいことから、もっとも重要度の高いAsクラスは設けられていない。 その一方で、安全委は最大想定事故の設定に当たって「ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料加工施設に対する仮想的な臨界事故の評価について」とする見解をまとめて、指針とともに意見募集に付した。見解では、これまでの専門部会の検討を踏まえ「技術的な観点から臨界事故の可能性を検討した結果、臨界事故の発生が想定し得ない場合もあり得る」としながらも、ジェー・シー・オー東海事業所での臨界事故を踏まえ、「核分裂性物質であるプルトニウムを大量に取扱うという潜在的危険性を考慮し、さらに諸外国においても臨界事故の評価がなされていることも考慮すれば、技術的にみて臨界事故の発生が想定されない場合、念のため一般公衆に放射線障害を与えない施設であることを確認するために、臨界事故の発生を仮想して評価を行うことは意義がある」との考えを示している。そのうえで、想定以上の事故の設定と被ばく評価等についての見解がまとめられている。 |