[原子力産業新聞] 2002年2月21日 第2125号 <3面>

[フランス] フラマンビル原発、作業ミスの最終評定はレベルII

フランスの原子力安全当局は4日、フラマンビル原子力発電所2号機(138万2000キロワット、PWR)で1月21日に発生した保守作業ミスは最終的に国際原子力事象評価尺度(INES)でレベルIIに評定が引き上げられたと発表した。

従業員の健康や環境への影響はなく、発端は原子炉管理・監視システムにおける通常の保守点検作業中の部品交換ミスだった。しかし、ミスの判明後に手動で同炉の再起動を試みた際、問題のシステムから誤った指示が運転員に伝えられ、連鎖的に大きな機器に影響が及ぶ結果になった。最終的に2つある電気供給システムの1つが失われ、原子炉の自動停止につながったほか、主冷却材ポンプヘの加圧水注入システムが喪失。蒸気発生器の緊急給水ポンプも損傷を受けたという。

また、安全当局の検査官が1月23日に同発電所を視察したところ、運転員が原子炉を停止させるまでに事象発生から6時間経過していたことが判明しており、連鎖的な影響があった点なども考慮して評定が引き上げられたとしている。

同炉は2月4白には再起動し発電網に接続されたが、安全当局では今回の事象について原因と経過をさらに詳細に分析するよう仏電力公社(EDF)に指示した。


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