[原子力産業新聞] 2002年2月21日 第2125号 <4面>

[ハザマ] 地層処分で国際提携

ハザマは13日、放射性廃棄物処分施設の研究開発では世界レベルのコンサルタント会社であるスウェーデンのクレイ・テクノロジー社と、放射性廃棄物処分に関する包括的研究協力協定を締結したと発表した。

協力対象となる技術的範囲は、(1)粘土系材料を用いた人エバリアに関する基礎的な研究とエンジニアリング、およびモニタリング技術の開発(2)人エバリアの性能評価に関わる手法と技術−の二分野で、昨年12月に締結された。両社は現在、手始めとして処分事業に供される粒状のベントナイト材料の共同研究を開始している。

スウェーデンは、放射性廃棄物の処分研究と事業に関して、世界で最も進んだ国のひとつ。クレイ・テクノロジー社は、人エパリアとしての粘土系材料について、解析から室内試験、施工技術開発まで幅広く調査・研究開発を展開しており、スウェーデン原子燃料廃棄物管理会社(SKB)の「エスポ地下研究施設」や、スウェーデンの高レベル放射性廃棄物処分の安全性評価書(SR97)、DECOVALEXプロジェクト等での試験および評価の実績がある。

一方、ハザマは同分野の草創期から20年余にわたり研究開発に携わってきており、調査解析から材料の開発、施工にわたり優れた技術力を保有。ハザマは国際協力プロジェクトヘの参加等を通じて、クレイ・テクノロジー社の研究者と密接な関係にあり、今回、両社の技術・研究能力をさらに有効に生かしていく目的で、今回の協定締結に至った。

国内でも最近では、日本原燃の低レベル放射性廃棄物埋設センター(青森県六ヶ所村)が順調に操業していることに加え、高レベル放射性廃棄物処分事業に正体的役割を果たす原子力発電環境整備機構が2000年10月に設立。HLW最終処分に向けた第一歩が踏み出されるなど、官民をあげた放射性廃棄物処分への取り組みが積極的に進められている。


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