[原子力産業新聞] 2002年2月21日 第2125号 <4面> |
[NSネット] ピアレビューで結果ニュークリアセイフティーネットワーク(NSネット)はこのほど、茨城県那珂郡東海村にある住友金属鉱山エネルギー・環境事業部技術センターを対象とした、第19回相互評価(ピアレビュー)の結果を公表した。 今回対象となった技術センターは、核燃料再処理の溶媒抽出工程に係わるパルスカラム(脈動抽出塔)関連技術開発を軸に、核燃料サイクルにおける各種試験研究業務に取り組む施設。 今回のレビューでは、電源開発、日立造船、日本原子力発電、東京電力、石川島播磨重工業、NSネット事務局からなるレビューチームが、組織・運営、緊急時対策、教育・訓練、運転・保守、重大事故防止について、現場観察、関係者との面談および、書類確認によリ、レビューを行った。 調査の結果、レビューチームは「直ちに改善措置を施さなければ重大事故に繋がるような項目は見いだせなかった」とするとともに、技術センターJCO臨界瞬故後数か月間にわたり、JCOを支援して事故収集の取り組みに参加した経験を踏まえて、安全確保のための活動に際し、センター員一人ひとりが「なぜ行わなければならないのか」を理解し、また「自分がやらなければ」との自覚を持って取り組んでいることが確認されたとしている。 さらに良好事例として(1)危険のポイントや想定トラブル対応策を含む作業毎の「安全管理委計画書」の作成(2)災害関連データベースの全社的運用(3)化学物質(薬品)のデータベース化による購入・保管等の管理の一元化(4)管理区域入域者を居室から確認出来る自社開発の「入退域管理システム」の運用−などを挙げ、一方、操業の安全性をさらに向上させるために「上位/下位規定間の関連付けによる規定類の位置づけの明確化」、「設備・機器点検時の不適合事項に対する対処要領書の制定」および、「夜間・休日の火災発生を想定した警備員への防火教育の検討」などを挙げている。 |