[原子力産業新聞] 2002年2月28日 第2126号 <2面>

[日本原子力発電] 熱出力一定運転に

日本原子力発電の敦賀発電所1号機(BWR、35万7000キロワット)は26日から第27回定期検査に入っているが、今回の定検では一連の検査に加え、「定格熱出力一定運転」の導入を見込んだ工事が行われる。

原子炉の熱出力を原子炉設置許可に認められた定格値に一定に保って運転を行う定格熱出力一定運転は、現在行われている「定格電気出力一定運転」と比較して、発電電力量が年間平均で約2%程度上昇するメリットがある。昨年12月に総合資源エネルギー調査会の原子力エネルギー調査会の原子力安全・保安部会原子炉安全小委で「安全な実施が可能」との結論が出され、また同月、経済産業省原子力安全・保安院から導入手続きなどを明示した通達が出されるなどしたことから、現在電力数社では、同運転法の実施に向けた手続き等が行われている。

今回、原電が敦賀1号機に行う工事は、「運転管理方法の信頼性をより一層向上させるために」行われるもので(1)中央制御室に原子炉熟出力を常時表示する「原子炉熱出力表示器」を設置(2)発電機および主変圧器の構成部品の温度上昇によって定まる運転制御範囲を超えないよう監視する、「発電機無効電力警報」を設置−が行われる。

定検ではこのほか、一般的な定検項自についての検査が実施されるほか、制御捧取替工事、シュラウドサポート点検工事および、運転中に発生したトラブルの対策工事(排ガスジェットポンプ駆動用上記配管修繕工事、原子炉安全保護系チャンネルAスクラムに係わる機器点検工事、タービン衛帯蒸気系度連配管修繕工事)、燃料取替えが行われ、5月中旬には定検終了・営業運転が開始する予定だ。


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