[原子力産業新聞] 2002年3月7日 第2127号 <1面>

[WANO理事会] 次期議長に前田氏

世界原子力発電事業者協会(WANO)は2月28日、同月22日にベルリンで開催した理事会で、関西電力の前田肇特別顧問が、次期議長に就任することを内定したと発表した。WANO理事会議長に日本人が就任するのは初めてのこと。17日にソウルで開催予定の理事会で正式に決定される。就任予定は7月で、任期は2年。

WANOは、1986年のチェルノブイリ発電所事故を契機に、世界の原子力発電事業者間で原子力発電所の安全性・信頼性の向上を図るため、89年に設立された民間の国際組織。35の国や地域から、世界の商業用原子力発電所を保有する全ての事業者が会員となっており、運転経験情報の交換、相互評価(ピアレビュー)、専門技術開発などを実施している。

理事会は、実務にあたるアトランタ、モスクワ、パリ、東京の「地域センター」から各2名ずつ、計8名で構成され、全体方針の策定と実務の管理を行っている。現在、理事会議長をつとめているのは、全米原子力発電運転協会元理事長のザック・ぺート氏で、前田氏が就任すれば、4代目議長となる。

前田肇(まえだはじむ)氏

1935年生まれ。1958年東京大学工学部卒業後、同年関西電力入社。1989年取締役、1993年常務取締役、1997年専務取締役、1999年取締役副社長に就任。

2001年からは特別顧問をつとめている。


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