[原子力産業新聞] 2002年3月7日 第2127号 <1面> |
[米政府] MOX燃料返還に同意関西電力・高浜発電所での使用が計画されていたものの、品質保証データの一部に不正があったことが発覚したことから、現在は同発電所で保管されている英国核燃料会社(BNFL)社製のウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料の製造元への返還について、米国政府は6日までに、関電からBNFLへ返還輸送することに、日米原子力協定に基づいて同意することを日本政府に伝えた。これにより、返還は年内にも実施される見込みになった。 高浜発電所では、3号機および4号機においてプルサーマルの開始を計画していたが、1999年9月に3号機用の、また同年12月には4号機用のMOX燃料について、製造元であるBNFL社の製造過程において、一部の品質管理データに不正が行われていた事が発覚。これを受けた関電は、既に高浜発電所へ搬入されていたMOX燃料集合体8体について使用中止を決定し、当該燃料の返還にむけた検討を開始した。 その後2000年7月に、関電とBNFL間における返還の合意が日英両国政府間で確認されたものの、輸送の実施には日米協定の関係上、米国の同意が不可欠なことから、わが国政府は昨年夏から米国との手続きを開始。しかし昨年9月の米国同時多発テロの影響などで、作業は遅れていた。 なお輸送は、2隻の武装船での海上輸送が計画されているということだ。 |