[原子力産業新聞] 2002年3月7日 第2127号 <1面>

[四国電力] ステップ2燃料採用へ

四国電力は4日、伊方発電所での高燃焼度燃料(ステップ2)の採用等について愛媛県と伊方町に対して事前協議を申し入れた。現在、同発電所では濃縮度(燃えるウラン235の割合)として4.1%のウラン燃料を使用しているが、使用済み燃料の発生量を低減させる等の観点から、濃縮度を4.8%に高め原子炉内でより長く使用することができる高燃焼度燃料(ステップ2)を採用する計画。このため、同日、その採用計画について、安全協定に基づき、愛媛県および伊方町に対し事前協議の申し入れを行ったもの。

高燃焼度燃料は、燃料中の燃えるウラン(U235)の割合である濃縮度を高めて、原子炉内でより長く使用(燃焼)できるようにした燃料で、我が国の原子力発電所では、使用済み燃料発生量の低減等を目的として、段階的にその開発を進め、採用してきている。

加圧水型原子炉(PWR)では、第1ステップとして、ウラン濃縮度を3.4%から4.1%に高め、4万8,000MWd/tの燃焼度まで使用できるようにした高燃焼度燃料(ステップ1)をすべての発電所で採用しており、これまで良好な実績をあげている。

並行して、第2ステップとして、ウラン濃縮度を4.8%とし、5万5,000MWd/tの燃焼度まで長く使用できる高燃焼度燃料(ステップ2)の開発を1985年度からPWR電力共同で進めてきた。今回、その開発が完了し、安全性に問題ないことを確認して、実用化が可能な状況になった。一方、国においても、原子力安全・保安部会原子炉安全小委員会において昨年4月から審議が行われ、同年12月には、「本格採用は基本的に問題ない」ことが確認されている。


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