[原子力産業新聞] 2002年3月7日 第2127号 <2面>

[NSネット] 大飯対象にレビュー

ニュークリアセイフティーネットワーク(NSネット)は2月21日、福井県大飯郡大飯町にある関西電力大飯発電所を対象とした、第20回相互評価(ピアレビュー)の結果を公表した。

今回のレビューは、組織・運営、緊急時対策、教育・訓練、運転・保守、放射線防護、重大事故防止の各項目について、現場観察、関係者との面談などにより、レビューを行った。

調査の結果、レビューチームは「直ちに改善措置を施さなければ重大事故に繋がるような項目は見いだせなかった」とするとともに、発電所長をはじめとする全職員が、協力会社も含めて一体となり、原子力安全確保を継続・強化していくために、「真剣かつ誠実に取り組んでいる実態が確認された」と評価。加えて今回のレビューで得られた成果が、大飯発電所より、美浜、高浜両発電所や、大飯発電所の協力会社に対しても展開されることが期待されると結論している。

さらに良好事例として、組織・運営面では「パフォーマンス指標の効果的な運用による安全文化醸成」を、緊急時対策では「緊急事態発生時の他発電所との協力休制の充実」を、教育・訓練面では「機器操作支援システムの活用」を、重要課題対応面では「専用データベースを用いたトラブル水平展開情報の共有化」をそれぞれ挙げ、一方、操業の安全性をさらに向上させるために(1)緊急時対策所のインフラの充実(2)発電室内会議への他発電室当直課長のオブザーバー参加(3)臨界安全をより身近に理解出来る教育資料の更なる充実−を挙げている。


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