[原子力産業新聞] 2002年3月14日 第2128号 <2面>

[東京電力] MOX製造を開始

東京電力は8日、フランスのコモックス社に発注していた柏崎刈羽3号機(BWR、110万キロワット)で利用予定の、プルサーマル用ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料60体を、仏・コジェマ社メロックス工場で、製造を開始したことを明らかにした。

コモックス社は、MOX燃料の加工・組み立て等について請け負う、コジェマ社の子会社(コジェマ社60%、ベルゴニュークリア社40%)。刈羽村での住民投票結果など地域事情を踏まえ、コモックス社との間で製造時期の延期などについて協議を重ねていた東電は、「製造時期の延長は発注のし直しとなり、製造元の工場の全体的な操業計画などの関係で、新たな製造までに相当長期間を要する」ことなどを総合的に判断。今月からの製造開始を決定した。

MOX燃料製造をめぐっては、1995年に東電は東芝との間で、成型加工契約を締結(燃料設計=東芝、燃料加工・組み立て=コモックス)した後、同契約に基づき、ベルギーのベルゴニュークリア社において、福島第一・3号機(BWR、78万4000キロワット)向けの第1バッチ分32体および、柏崎刈羽3号機向け第1バッチ分28体の加工を実施(輸送済み)。その後1999年から、加工・組み立てが同一工場内で行えるコジェマ社のメロックス工場で、BWR用MOX燃料が製造出来るようになったことから、福島第一・柏崎刈羽向けのMOX燃料第二バッチ以降は同工場にて加工することとしていた。

今回製造が開始されたのは、柏崎刈羽向けの第2バッチ分。今後の輸送について東電では、「燃料の製造工程・海外との交渉など輸送のための諸準備などを踏まえながら、必要な時期までの欧州での保管も含めて慎重に検討してまいる所存」としている。


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