[原子力産業新聞] 2002年3月21日 第2129号 <1面>

[関西電力] 輸送容器を承認

関西電力は18日、品質保証データに一部不正があることが発覚した、英国BNFL社製高浜発電所向けウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料について、現在高浜発電所に保管しているMOX燃料の、英国への返送に使用する輸送容器が同日、国土交通省より容器承認を受けたことを明らかにした。これにより、返送に係わる法令等に基づく主要な(特別に必要な)許認可手続きは完了したことになり、残された手続きは、輸出許可申請等放射性物質国際輸送に係わる通常の国内手続きだけとなった。

今回認証を受けたのは、1999年に高浜4号機へのMOX燃料輸送に使用した輸送容器と同一のもので、外径約2.4メートル、長さ約6.4メートル、自重約95.8トンの、PWR用MOX燃料集合体8体を収納するEXCELLOX−4(M)R型容器。

返送するMOX燃料は使用済み燃料ピットに保管中のため、輸送容器に収納する際、燃料とともにビット水が少量混入するなど、輸送時とごくわずかではあるものの、条件が変わる。このため関電では、MOX新燃料輸送容器としての登録を廃止。改めて安全評価を行い、今回新たに返送用輸送容器として、容器承認を受けた。

MOX燃料返送を巡っては、2000年7月に、関電とBNFLとの間における返還の合意が、日英両国政府間で確認されたほか、今月初めには米国政府が、日米原子力協定に基づく核物質移転申請の承認を、わが国政府に伝えていた。


Copyright (C) 2002 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.