[原子力産業新聞] 2002年3月28日 第2130号 <1面> |
[核燃料サイクル開発機構] ふげん発電所25年内めどに廃止措置核燃料サイクル開発機構は、2002年度末で運転を終了する新型転換炉「ふげん」の廃止措置に向けた事業の進め方をとりまとめ、地元自治体の福井県や敦賀市に説明を行ったほか、原子力委員会に報告した。約10年間を廃止措置準備の期間として、使用済み燃料の搬出や東水の回収といった準備作業にあて、その後の廃止措置を進めるのに必要な技術開発を行うとともに、具体的な廃止措皿計面を立てていく予定だ。 運転を終了した後「ふげん」は、原子炉等規制法に基づき、適切に設備を維持・管理し安全を確保しながら、約10年間を廃止措置準備期間とし、「ふげん」の廃止措置計画の具体化に必要な技術開発・研究、使用済燃料の発電所外への搬出、重水系設備からの重水回収・搬出などを行う予定だ。廃止措置は、この準備期間の事業の進捗を踏まえ、法令に基づく手続きの後に着手する。26日に同機構が原子力委員会に行った報告では廃止措置を含め、全体として25年内を目処にしているという。費用面では施設解体に約300億円、解体等により生じる廃棄物処理処分に約400億円が見込まれている。 また同機構は、工程を進めるにあたり、もっとも重要な安全の確保について、既存技術の徹底活用による合理的な廃止措置や発生廃棄物の低減など環境への負荷軽減等を図る。 必要となる関連技術の開発については、廃止措置計画の策定に向けて、「ふげん」固有の技術開発、安全評価等のデータ取得にむけた関連調査、既存技術の改良・高度化を進める計画だ。また放射性廃棄物については、減容化や安定化などに必要な処理装置を導入して所要の処理を進める考えで、廃棄物の処分については、RI・研究所等廃棄物処分事業の進捗を踏まえて対応を進めていく方針。 サイクル機構では、これら一連の計画について地域社会の理解のもとに進める観点から情報公開を積極的に行う。また同計画を進めるにあたり地元雇用や地元経済にも十分配慮するとしている。廃止措置に向けた技術開発や諸準備、その後の廃止措置を通じて得られる成果についても、わが国における原子力施設の廃止措置に有効に活用できるよう、関連技術の開発、実際の施設の廃止措置、廃棄物の処分等について関係機関との連携や技術協力を積極的に進めることにしている。 |