[原子力産業新聞] 2002年3月28日 第2130号 <3面> |
[ベルギー] 廃棄物処分費比較欧州原子力産業会議連合(フォーラトム)は12日、段階的な脱原子力法案を承認したベルギー政府「分別がなく非現実的」と批判する声明を発表した。 フォーラトムのP・ハウク事務局長はまず、ベルギー政府の判断は原子力の経済性や環境影響、技術や安全に関わる理由から下されたのではなく、純粋にイデオロギーに基づいていると指摘。もしも同国議会がこの法案を承認した場合、ベルギーは将来のために重要な発電オプションを封じ込めてしまうことになると訴えた。同氏によれば原子力の開発利用を続ける必要性は欧州の主要な国々や高名な科学者達も「賢くて現実的なアプローチ」として認めるところで、原子力からの撤退は、このような近年の潮流に反することだとの見解を明らかにしている。 同事務局長はまた、「緑の党の圧力に屈したベルギー政府は、よりにもよってエネルギーの供給保障や温室効果ガス削減への懸念が高まっているそのときに別の道を選択しようとしている」と強調。原子力は実質的にCO2を排出しないだけでなく、安定価格の信頼できる電力供給を約束するとして、その役割の重要さを強調しており、「ベルギーが原子炉を閉鎖しつつ、どのようにして京都議定書の目標値を達成できるのか、はなはだ疑問だ」との認識を表明している。 フォーラトムとしては、ことエネルギー政策に関しては常に理に適った長期的アプローチが必要だとしており、経済性や環境影響などの理由からエネルギー・ミックスの多様化は不可欠と強調。このためにも原子力や再生可能エネルギー、省エネを含むすべてのエネルギー・オプションを堅持しなくてはならないと言明した。 また、エネルギー需要を満たすという点で唯一無二の解決策というものは存在せず、どの発電オプションについても除外したり、逆に特別扱いしたりすべきではないと訴えた。 |